スポンサーサイト

--.--.--(--:--)
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
スポンサー広告 | トラックバック(-) | コメント(-) | [EDIT]

こがしゅうとセンセイの「アナタノ知ラナイ兵器」について

2009.12.13(00:59)

こがしゅうとセンセイ『アナタノ知ラナイ兵器』が発売になりました。 
 
いつもながら大変素晴らしい内容で、第二次世界大戦の兵器に関して大変分かりやすく解説してくださっています。架空戦記を書くにあたって、ディティールの描写をするにはもってこいの一冊になっています。

ただ、雑誌「ネイビーヤード」に掲載された分は確かに『アナタノ知ラナイ兵器』だとは思いますが「スケールアビエーション」に掲載された分をまとめて『アナタノ知ラナイ兵器』と言ってしまうのは、少し読者を小馬鹿にしているのかなと思わせてしまいます。
おそらくはその辺の感覚がこの本を担当された編集さんには欠如しているのだと感じます。
航空機編を本当に『アナタノ知ラナイ兵器』にしたいのならば、ここは烈風、閃電、電光、東海、零式小型水偵、F4Fスカイロケット、F5Uフライングパンケーキ、F7Uカットラスぐらいのラインナップにしてこそ初めて本当の『アナタノ知ラナイ兵器』と言えると思います。
特に、F8クルセーダーと言えば『エリア88』で主人公の風間真が愛機としていた戦闘機なので、これを『アナタノ知ラナイ兵器』と言ってしまうと『エリア88』ファンの女性の反感を買ってしまっていると思います。

さてこの大変素晴らしい内容の『アナタノ知ラナイ兵器』なんですが、実は連載当時から間違った内容を掲載してしまっている部分が2ヶ所あります。

1ヶ所は航空機編でしかも確実な間違い。もう1ヶ所は艦船編の方ですが、これはご本人もよく知らないので想像図とは断っております。ですが、その想像図が間違ったまま掲載されています。

まず1ヶ所は、先述しましたF8Cクルセーダーの部分です。


ここから『アナタノ知ラナイ兵器』本文引用
この機銃は変わった機能がある。通常は1度下方に取り付けられる機銃だがこれを一部文献によると20度下向きにできるということだ。これは当然、飛行中には変更できない。角度こそ20度だがこれは「月光」の「斜銃」と同じだ。地上に居る身としてはこんなのが高速で低空を突進しつつ唸りを上げて機銃掃射されるということは、できれば一生体験をしたくないものだと思う次第だ。

はい、ダウトであります。


F8Cにこんな面白ビックリドッキリな機能が付いていたのなら、とっくの昔に『エリア88』で風間真が対地攻撃任務で使っている事でしょう(新谷先生はそういうのがお好きなはず)。
仮に、こがセンセイを狙う悪漢がF8Cに乗ってやって来たとしても、急降下からの機銃掃射はありますが、低空水平飛行からの機銃掃射なんて器用な真似は出来ませんのでご安心ください。
こがセンセイは自著に参考文献を記載されない方針のようですのでこがセンセイの仰る〔一部文献〕と言うのが正確には何を指し示すのかは解りませんが、おそらくは世界の傑作機『F8クルセーダー』の事を指し示していると思われます。
実は世界の傑作機の『F8クルセーダー』には機銃の俯角に関する記述があります。

世界の傑作機『F8クルセーダー』より引用
通常(機軸に対して)-1°で取り付けてある機銃を、最大-2°30′まで下に向けられる。

ここで言う俯角の変更範囲は照準器に対する角度調整範囲の話であります。もちろん20度なんて大きな角度ではなくたったの1.5度。
おそらくはこがセンセイが「-2°30′」を「20°」と空目なさったんだと思われます。その上で、ご自身の勝手な解釈を絵にされてしまわれたのでしょう。

実はこの件に関しては、私の友人の軍事・航空機・科学評論家のE氏、軍事評論家で架空戦記作家でもあるT氏、そしてイラストレーターでスケールアビエーションでもお仕事をなさっているA氏に確認を取り、明らかな間違いである事を確認しております。
更にはA氏を通じて、こがセンセイの担当編集に該当個所を修正していただくよう依頼しておりました。しかしながら、この部分が修正されていないというのはどういう事なんでしょうか。
A氏がこがセンセイの担当編集氏に伝え忘れたという可能性もなくはありませんが、こがセンセイの担当編集がA氏の修正提案を聞き入れなかったと言う事もあるのかもしれません。
こが氏の担当編集氏がこがセンセイに伝えなかった可能性もありますし、こがセンセイがご自身のプライドにおいて担当編集氏の助言にも関わらず修正しなかった可能性もないとは言えません。

それから、あるところで「こがセンセイのご専門は末期戦だから、ベトナム戦争は専門外なのでは」という擁護意見を目にしましたが、残念ながらこがセンセイはコンバットコミック当時、ベトナム戦争のマンガを描いていらっしゃいます。一度でもプロの原稿でベトナム戦争のマンガを執筆していらっしゃる方が、ベトナム戦争は専門外というのはまったくスジが通りません。

さて、もう1ヶ所は水上艦艇用電波探針儀の部分です。

実は二三号電波探針儀の空中線装置の写真とデータは次に書くウェッブサイトに掲載されています。

太平洋戦争レーダー史

九.ウルツブルクレーダー技術導入

このサイトに二三号電波探針儀の実装状態の写真とスペックが掲載されていますが、こがセンセイの描かれた装備図(推定)とはまったく異なっており、マスト上部に設置されています。
こがセンセイのお描きになった装備図(推定)では、まず二三号電探が2基必要になり非常に非効率的です。
また、側方に艦艇の外壁があるので艦艇の外壁金属からの反射が雑音になり実用的な探知が困難になります。
実装状態の写真のようにマスト上部にあれば二三号電探空中線は1基で済みますし、周囲からの雑音も軽減されます。
おそらく、こがセンセイが装備図(推定)を描かれたのは二三号電探を二二号電探と同程度のシロモノと認識していらっしゃる故と理解出来ますが、二二号電探と二三号電探では規模も成り立ちも原理も大きく異なります。二二号電探は日本のオリジナル技術ですが、二三号電探はドイツからもたらされたヴュルツブルクレーダの技術を基礎としています。
この辺、はっきり言ってこがセンセイは二三号電探について不勉強であると申し上げざるを得ません。
申し訳ありませんが自分は、ほんの数分でこの間違いに気付き、先述したウェッブサイトの実装写真で確証を得ました。一応、自分は太平洋戦争当時の日本の電探は研究しておりますので、普段からこのサイトを拝見させていただいておりました。普段から新しい知識を採り入れようという気があるのならば、このサイトの存在は知っていて然るべきです。

自分は、たとえマンガやアニメ、特撮の内容でも描かれている事が歴史的事実なのならば、商業出版物に間違いを掲載する事は許されない行為だと考えております。
以前自分も、辰巳出版のウルトラマン80のムックでエースフライヤーの事をYF-17の改造機であると記述してしまった事が御座います。現在は、F-18の改造機であったという認識でいますし、今原稿を依頼されればF-18の改造機として執筆します。ですが、単発のムックでは訂正のしようがなかったのは事実です。

しかるにこがセンセイの場合は、スケールアビエーション誌とネービーヤード誌への連載であり、記事の間違いを訂正する機会は連載中にいくらでもあったハズです。
そして『アナタノ知ラナイ兵器』という単行本としてまとめられるならば、この際に間違っている部分を修正するべきであったハズです。こんな仕事を単行本でも訂正しないのは、担当編集者も執筆者も失格と言わざるをえません。おそらく、この本がイカロス出版から発売されていたら、こんな間違いは掲載されなかった事でしょう。何故ならば、「末期の水物兵器」では、以前自分が指摘した部分が単行本化に際して修正されていましたから。

歴史上の事実を分かりやすく描く事を主眼としている作品で、歴史上の事実の歪曲や間違いを商業誌に掲載する事は決して許される事ではありません
なぜならば、それを見た読者が「こがしゅうとセンセイが描いていらっしゃるのだから事実なのだろう」と考え、事実を誤認するからです。

一目で理解しやすいと言う事

非常に大きな利点であります。

ですが

間違えると誤解を広めやすいという諸刃の剣

でもあります。

同人誌ならばそれでも許される事でしょう。

ですが

商業出版ではこれは決して許される事ではありません。

スポンサーサイト
<<こがしゅうとセンセイの「アナタノ知ラナイ兵器」について(続報) | ホームへ | このタイミングでX-37Bの話題。>>
コメント
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
トラックバックURL:
http://strangemecha.blog59.fc2.com/tb.php/449-4a327b9f
| ホームへ |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。