2009年12月

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  2. 特殊蝶番試作レ号(12/23)
  3. 光人社刊 広田厚司著 「へんな兵器」(12/21)
  4. だから、いーかげんなものでっち上げて抱き合わせ販売するのも止めようよ。(12/19)
  5. こがしゅうとセンセイの「アナタノ知ラナイ兵器」について(続報)(12/19)
  6. こがしゅうとセンセイの「アナタノ知ラナイ兵器」について(12/13)


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特殊蝶番試作レ号

2009.12.23(01:21)

12月19日から来年1月24日まで、上野の国立科学博物館日本の航空宇宙100周年記念展示 「知られざる回転翼航空機の開発 日本初の本格的ヘリコプター・特殊蝶番試作レ号」が開催されています。

特殊蝶番試作レ号と言えば、1944年頃に海軍と横浜高専が共同で開発した試作ヘリコプターで、不肖さはらもこの機体については、一応研究していました。
特殊蝶番試作レ号関係の資料のほとんどが国立科学博物館に寄贈されてしまったので、どうなるのかなあとは思っていたのですが、こうなったんなら良し。この展示は、必ず見に行きます。しかし、国立科学博物館そのもののホームページで紹介されず、(財)日本航空協会のページでしか紹介されていないのが不思議だ。
ついでだから誰か、書籍にまとめて出版してくれると有り難いんだけどな。

確か国立科学博物館には、ネ20改ジェットエンジンの資料も寄贈されているので、いつかこっちの展示も行われる事を期待します。

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光人社刊 広田厚司著 「へんな兵器」

2009.12.21(22:52)

かつて、故・野田昌宏先生が翻訳をした米・英・ソ秘密兵器―レーダー、ミサイルから原爆まで」 (第二次世界大戦ブックス (38)) 以来、久々にAZONやシング対空火援放射筒に言及した本としてはお手頃価格の良書であると言えます。
サンケイブックスの「米・英・ソ秘密兵器」以後、AZONやシング対空火援放射筒などについて雑誌などで書かれた記事の大半は、野田先生の翻訳文引き写しの記事ばかりでしたので、久々に原書からの翻訳文が読めた事になります。
非常に残念なのは、本書には参考文献が掲載されておらず、今回もAZONやシング対空火援放射筒などの元ネタ洋書が分からず終いであるという事です。
おそらく野田昌宏文庫に行けば、野田先生が「米・英・ソ秘密兵器」を執筆された時に使用した元ネタ原書があると思われるのですが、残念ながらここの検索システムは野田先生が所有されていた航空宇宙関係の洋書資料にはあまり優しいとは言えません。

さてまあ、本書で気になるところと言えば、広田さんの外国語をカタカナ表記と自分の外国語カタカナ表記がかなりの割合で異なっているという事ですね。

例えば
・「マイアーリ」 → 一般には「マイアーレ」
・「ヴァーンズ・ウェーリス」 → 一般には「ヴァーンズ・ウォーリス」

どちらが正しいとも言い難いのですが、自分が一般的だと認識している表記とはズレているので、 すこし悪い言い方ですが読んでいて気持ち悪くなります。

もう一つ残念なのは、この本を執筆される際に広田さんは、元ネタ本を忠実に翻訳される事を主眼に置いて執筆されているので、他の文献とのリンクがまったくされていないという事です。

例えば、ドイツのアメリカボマー(いわゆるアメリカ爆撃機)の話でホルテン兄弟の無尾翼機を取り上げていらっしゃいますが、ゴータGo(ホルテンHo)229を中心に、開発段階の滑空機を取り上げて記事を書いていらっしゃいますが、肝心のアメリカ爆撃機であるホルテンHoⅩⅧ爆撃機の名前が本文中のどこにも書かれておりません。これは、少し調べれば本文中に追記出来るレベルの話なので、木を見て森を見ていないと言わざるをえません。
他にも、マグネトロンの話で日本の研究の話が一切書かれていなかったり、VT信管の話で太平洋戦争の話が書かれていなかったり(ヨーロッパでのVT信管の使用状況は始めて読む話だったので面白かったのですが)、ワザと元ネタ本以外の要素を採り入れなかったのかなという気がします。
逆に、元ネタ本の翻訳に固執するあまり、ツィッパーマイヤー博士の夢兵器の項では、本文にあまり関係のないと思われるアレキサンダー・リピッシュ博士の研究の話が出て来たりしています。

他の書籍の記述とリンクさせるのは、私の様な者の仕事だと割り切れば、これはこれでクセはあるけれども良書だと思います。
まあ、ウチに来る様な方は、一冊買っておいて損はないでしょう。

だから、いーかげんなものでっち上げて抱き合わせ販売するのも止めようよ。

2009.12.19(09:39)

連山&震電改

 ハセガワから、1/72 連山 イ号誘導弾搭載機&震電改“本土防衛”というセットが発売されたんですが、いやあ

悪質な抱き合わせ販売(笑)

ですね。

九州J7W2震電改:海軍機
中島G8N連山:海軍機

三菱イ号一型甲誘導弾:陸軍の開発兵器

ねえよっ! この組合せは、断じてあり得ないっ!(笑)

しかもハセガワの震電改ゆーたら、ジェットエンジン搭載による垂直安定板の形状変更とか、着陸脚の短縮化とか、そんなん何にも考察してへんキット化した手抜きキットやんか!(笑)

それに、本土防空に空対艦ミサイルって……。これを企画した奴、防空の意味解ってんのんか?(笑)

というわけで、懸命なこのブログの読者のみなさんは、その辺を割り切ってこのセットを買うかどうかご判断くださいな。

少なくとも

ワシは絶対買わないっ!

こがしゅうとセンセイの「アナタノ知ラナイ兵器」について(続報)

2009.12.19(09:07)

実は週間オブイェクトJSFさんを間に立てて、こがセンセイと件の間違いについてここ数日やり取りをしていました。

F8クルセーダーのコルトMk.12機関砲については、世界の傑作機No.1 ボートF8クルセーダー30ページの写真キャプションに以下の記述があるそうです。

世界の傑作機『F8クルセーダー』より引用
通常機軸中心線に対し、下方1°の角度で固定されているが、地上掃射時には20°まで調整出来る。

ちなみに前回、私が引用したのは28ページ、これは30ページの写真キャプションなんですが、ここの写真キャプションにあからさまにこういう間違いが書かれていた事には自分まったく気が付いていませんでした。ここの記述を見逃していた事については、素直に頭を下げます。申し訳ありませんでした。

 その上で書かせていただきますが、それではコルト-ブローニングMk12機関砲の砲身長は何メートルぐらいあるのでしょうか? 残念ながら正確な数字は
http://sajun.org/index.php/Colt_Mk_12_cannon
には書かれていませんが、イスパノスイザHs.404から派生した機関砲ですので、銃身の長さは2メートル以上はあるはずです(Hs404は2.52メートル)。
http://wapedia.mobi/en/Hispano-Suiza_HS.404

その上で、砲身長の2/3の部分を機体への固定位置として俯角20°の場合、銃口は下向きに何センチ下がるでしょうか?
仮に2メートルの2/3と見積もっても、約1.3メートル。銃口は約50センチ下がります。
そんな物がF8クルセーダーの機首側面のどこに入りますか?(ちなみに2メートルと見積もって約75センチ下がります) 
同じ式で俯角2°ならば銃口は約4.5センチ下がる事になりますがこれならまだ納得のいくレベルの数字です。
すいませんがこれは、簡単な中学の数学(三角関数)と、F8クルセーダーの記事を書いた本人が機体構造を理解して記事を執筆しているかどうか? そう言った意識の問題なんです。

間に入ってくださっているJSFさんには申し訳ないんですが、『アナタノ知ラナイ兵器』のF8クルセーダーの記事は、こがさんはその辺を意識せず、何も考えず、世界の傑作機No.1 F8クルセーダーの30ページの記述を盲信して記事を描いたという事になりますよね。
私の様に、こがさんみたいに自由に絵を描けず、文章だけで商業原稿を書いている人間ですらこがさんがお書きになった20°という記述を一目見ておかしいと考えるわけですから、絵をお描きになるこがさんが20°という数字を見た時に(2ページ前に約2°という記述があったにも関わらず)何でおかしいと考えないんでしょうか?
こがさん、底辺1.3メートルの直角三角形ぐらい描けますよね。20°も銃口を下げたら、F8の機首側面の外板はどんな形になりますか? もっとちゃんと想像して、頭を働かせて記事を描きましょうよ。

今回、私が問題にしているのは、そう言ったこがさんの意識の問題なんです。二三号電探の設置想像図にしてもまったく同じ。構造を理解して、ちゃんと考えて記事を書きましょうよ。世界の傑作機1冊でお手軽に記事を描いて、しかも記述を盲信して描いてしまって、他の文献とクロスチェックしていない時点で失格ですよ。

世界の傑作機No.1 F8クルセーダーが書かれたのが1998年ですか。もう2010年まであとわずかですから刊行されたのは12年前になります。12年前に流通した書籍を回収して書き直す様に運動しろとでも? それは極めて非現実的ですよね。
しかも2ページ前には正しいと思われる記述も併記されている。

初期の世傑については色々聞いてますが、かなり間違いがあるようです。これもそんな間違いの一つなんでしょう。
文林堂が必要だと判断すれば、執筆者を代えて新版のF8クルセーダーが発売される事でしょう。Me262だって、我が師匠国江隆夫の手による新版が発売されましたから。それは時がくれば文林堂がやる仕事です。ただし、商業上のニーズと照らし合わせて、それを発売するかどうかは文林堂が決める事なので、これも積極的に我々がどうこう言う問題ではありません。
では、後から記事を書く我々はどうすればいいかと言うと、同じ間違いを何度も何度も市場に流通させない事が大事なんです。そもそも、世界の傑作機なんて一次資料でも何でもありません。記述を参考にする時に間違いがあって当たり前と考えないライターの方がどうかしています。しかも、当該部分はあからさまに怪しい。F8クルセーダーの機首構造をちゃんと理解していれば、防げるレベルのミスですよ。

前回も書きましたけど、同人誌では許されても商業誌では許されないミスなんですよ。記事を書く人間のプロ意識の問題なんですから。

こがしゅうとセンセイの「アナタノ知ラナイ兵器」について

2009.12.13(00:59)

こがしゅうとセンセイ『アナタノ知ラナイ兵器』が発売になりました。 
 
いつもながら大変素晴らしい内容で、第二次世界大戦の兵器に関して大変分かりやすく解説してくださっています。架空戦記を書くにあたって、ディティールの描写をするにはもってこいの一冊になっています。

ただ、雑誌「ネイビーヤード」に掲載された分は確かに『アナタノ知ラナイ兵器』だとは思いますが「スケールアビエーション」に掲載された分をまとめて『アナタノ知ラナイ兵器』と言ってしまうのは、少し読者を小馬鹿にしているのかなと思わせてしまいます。
おそらくはその辺の感覚がこの本を担当された編集さんには欠如しているのだと感じます。
航空機編を本当に『アナタノ知ラナイ兵器』にしたいのならば、ここは烈風、閃電、電光、東海、零式小型水偵、F4Fスカイロケット、F5Uフライングパンケーキ、F7Uカットラスぐらいのラインナップにしてこそ初めて本当の『アナタノ知ラナイ兵器』と言えると思います。
特に、F8クルセーダーと言えば『エリア88』で主人公の風間真が愛機としていた戦闘機なので、これを『アナタノ知ラナイ兵器』と言ってしまうと『エリア88』ファンの女性の反感を買ってしまっていると思います。

さてこの大変素晴らしい内容の『アナタノ知ラナイ兵器』なんですが、実は連載当時から間違った内容を掲載してしまっている部分が2ヶ所あります。

1ヶ所は航空機編でしかも確実な間違い。もう1ヶ所は艦船編の方ですが、これはご本人もよく知らないので想像図とは断っております。ですが、その想像図が間違ったまま掲載されています。

まず1ヶ所は、先述しましたF8Cクルセーダーの部分です。


ここから『アナタノ知ラナイ兵器』本文引用
この機銃は変わった機能がある。通常は1度下方に取り付けられる機銃だがこれを一部文献によると20度下向きにできるということだ。これは当然、飛行中には変更できない。角度こそ20度だがこれは「月光」の「斜銃」と同じだ。地上に居る身としてはこんなのが高速で低空を突進しつつ唸りを上げて機銃掃射されるということは、できれば一生体験をしたくないものだと思う次第だ。

はい、ダウトであります。


F8Cにこんな面白ビックリドッキリな機能が付いていたのなら、とっくの昔に『エリア88』で風間真が対地攻撃任務で使っている事でしょう(新谷先生はそういうのがお好きなはず)。
仮に、こがセンセイを狙う悪漢がF8Cに乗ってやって来たとしても、急降下からの機銃掃射はありますが、低空水平飛行からの機銃掃射なんて器用な真似は出来ませんのでご安心ください。
こがセンセイは自著に参考文献を記載されない方針のようですのでこがセンセイの仰る〔一部文献〕と言うのが正確には何を指し示すのかは解りませんが、おそらくは世界の傑作機『F8クルセーダー』の事を指し示していると思われます。
実は世界の傑作機の『F8クルセーダー』には機銃の俯角に関する記述があります。

世界の傑作機『F8クルセーダー』より引用
通常(機軸に対して)-1°で取り付けてある機銃を、最大-2°30′まで下に向けられる。

ここで言う俯角の変更範囲は照準器に対する角度調整範囲の話であります。もちろん20度なんて大きな角度ではなくたったの1.5度。
おそらくはこがセンセイが「-2°30′」を「20°」と空目なさったんだと思われます。その上で、ご自身の勝手な解釈を絵にされてしまわれたのでしょう。

実はこの件に関しては、私の友人の軍事・航空機・科学評論家のE氏、軍事評論家で架空戦記作家でもあるT氏、そしてイラストレーターでスケールアビエーションでもお仕事をなさっているA氏に確認を取り、明らかな間違いである事を確認しております。
更にはA氏を通じて、こがセンセイの担当編集に該当個所を修正していただくよう依頼しておりました。しかしながら、この部分が修正されていないというのはどういう事なんでしょうか。
A氏がこがセンセイの担当編集氏に伝え忘れたという可能性もなくはありませんが、こがセンセイの担当編集がA氏の修正提案を聞き入れなかったと言う事もあるのかもしれません。
こが氏の担当編集氏がこがセンセイに伝えなかった可能性もありますし、こがセンセイがご自身のプライドにおいて担当編集氏の助言にも関わらず修正しなかった可能性もないとは言えません。

それから、あるところで「こがセンセイのご専門は末期戦だから、ベトナム戦争は専門外なのでは」という擁護意見を目にしましたが、残念ながらこがセンセイはコンバットコミック当時、ベトナム戦争のマンガを描いていらっしゃいます。一度でもプロの原稿でベトナム戦争のマンガを執筆していらっしゃる方が、ベトナム戦争は専門外というのはまったくスジが通りません。

さて、もう1ヶ所は水上艦艇用電波探針儀の部分です。

実は二三号電波探針儀の空中線装置の写真とデータは次に書くウェッブサイトに掲載されています。

太平洋戦争レーダー史

九.ウルツブルクレーダー技術導入

このサイトに二三号電波探針儀の実装状態の写真とスペックが掲載されていますが、こがセンセイの描かれた装備図(推定)とはまったく異なっており、マスト上部に設置されています。
こがセンセイのお描きになった装備図(推定)では、まず二三号電探が2基必要になり非常に非効率的です。
また、側方に艦艇の外壁があるので艦艇の外壁金属からの反射が雑音になり実用的な探知が困難になります。
実装状態の写真のようにマスト上部にあれば二三号電探空中線は1基で済みますし、周囲からの雑音も軽減されます。
おそらく、こがセンセイが装備図(推定)を描かれたのは二三号電探を二二号電探と同程度のシロモノと認識していらっしゃる故と理解出来ますが、二二号電探と二三号電探では規模も成り立ちも原理も大きく異なります。二二号電探は日本のオリジナル技術ですが、二三号電探はドイツからもたらされたヴュルツブルクレーダの技術を基礎としています。
この辺、はっきり言ってこがセンセイは二三号電探について不勉強であると申し上げざるを得ません。
申し訳ありませんが自分は、ほんの数分でこの間違いに気付き、先述したウェッブサイトの実装写真で確証を得ました。一応、自分は太平洋戦争当時の日本の電探は研究しておりますので、普段からこのサイトを拝見させていただいておりました。普段から新しい知識を採り入れようという気があるのならば、このサイトの存在は知っていて然るべきです。

自分は、たとえマンガやアニメ、特撮の内容でも描かれている事が歴史的事実なのならば、商業出版物に間違いを掲載する事は許されない行為だと考えております。
以前自分も、辰巳出版のウルトラマン80のムックでエースフライヤーの事をYF-17の改造機であると記述してしまった事が御座います。現在は、F-18の改造機であったという認識でいますし、今原稿を依頼されればF-18の改造機として執筆します。ですが、単発のムックでは訂正のしようがなかったのは事実です。

しかるにこがセンセイの場合は、スケールアビエーション誌とネービーヤード誌への連載であり、記事の間違いを訂正する機会は連載中にいくらでもあったハズです。
そして『アナタノ知ラナイ兵器』という単行本としてまとめられるならば、この際に間違っている部分を修正するべきであったハズです。こんな仕事を単行本でも訂正しないのは、担当編集者も執筆者も失格と言わざるをえません。おそらく、この本がイカロス出版から発売されていたら、こんな間違いは掲載されなかった事でしょう。何故ならば、「末期の水物兵器」では、以前自分が指摘した部分が単行本化に際して修正されていましたから。

歴史上の事実を分かりやすく描く事を主眼としている作品で、歴史上の事実の歪曲や間違いを商業誌に掲載する事は決して許される事ではありません
なぜならば、それを見た読者が「こがしゅうとセンセイが描いていらっしゃるのだから事実なのだろう」と考え、事実を誤認するからです。

一目で理解しやすいと言う事

非常に大きな利点であります。

ですが

間違えると誤解を広めやすいという諸刃の剣

でもあります。

同人誌ならばそれでも許される事でしょう。

ですが

商業出版ではこれは決して許される事ではありません。

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